鍼灸は不妊治療に効果的?そのエビデンスはどこにある?
鍼灸は卵巣・子宮・卵管の血流を促進
鍼灸は世界中の研究者が注目し、日々臨床データが蓄積されています。西洋医学が中心の不妊治療クリニックにも鍼灸を重視する医師がおり、鍼灸院への通院を推奨したりクリニックに併設させたりする例もあるのです。
鍼灸は、卵巣や子宮への血行を促進する効果が期待されます。実際に、子宮内膜の厚さ不足が指摘されていた不妊治療患者が鍼灸治療を受けることにより、内膜の厚さが改善したとする臨床結果もあるのです。鍼灸は、クリニックで指摘された問題点を改善する手段のひとつとなり得るでしょう。
女性ホルモンに影響がある自律神経を整える
自律神経とは自分の意志とは無関係に常時働く神経で、内臓や体温、血圧や呼吸の機能に携わります。自律神経が乱れると血圧や体温、呼吸も乱れることになるのです。
不妊治療に際し、自律神経の影響は無視できません。自律神経の働きが乱れると、ホルモンバランスも乱れてしまうのです。自律神経を整える治療は、鍼灸が得意とするところ。患者さんの体調を見定めて必要なツボを刺激し、自律神経の乱れを正します。自律神経が整うことで呼吸や内臓、体温も正常化し、ホルモンバランスも整っていくのです。
リラックス効果で良い睡眠がとれる点もエビデンスの一つ
入眠障害や中途覚醒など睡眠の悩みは、疲労の蓄積以上に大きなストレス。ストレスは妊活の大敵です。そんな睡眠の悩みに、鍼灸は効果を発揮します。自律神経は昼に「交感神経」が、夜は「副交感神経」が優位になります。夜間やリラックス時に働く副交感神経がうまく働かないことが、不眠の原因のとなる可能性もあるのです。また、肩や首などの緊張が解けないことも原因とされます。
鍼灸には自律神経の乱れを整え、首や肩のこりを解消して緊張を解く作用があります。不眠の人が一定期間鍼灸に通院することで、改善が見られたとする臨床結果も存在。夜間きちんと休息をとり、身体全体の調子を整えましょう。